※この記事は2016年12月31日に「sososo actuvity」に掲載したものです。
イベント会場がある目黒に到着し、喫茶店でモーニングの甘いココアを一杯。
ひとときの幸せだ。
今日は忙しくなる。
私が「決意のココア」をすすっていると、ふと横の席に座っていた老婆に話かけられた。
以前、ニューヨークに住んでいたと語る優しい面持ちの老婆は「フィリップス」のぬいぐるみの思い出を私に聞かせてくれた。
どうやら「フィリップス」の姿と私の姿と重なって見えたらしい。
老婆の思い出は、ココアよりも私の心を温めてくれた。
きっと今日は良い日にもなる。
そう感じさせた。
喫茶店を出て会場に向かう。
長い坂を下る途中、正面に富士山が見えた。
富士山は、私を勇気づけるかのように誇らしげに、悠然と構えている。
そうだ。私が堂々としなければ。
本来ならば、私はこのイベントの「主役」ではない。
本来「主役」を務めるはずのゲストボーカリストのLilithが風邪をこじらせ、舞台に立てなくなってしまったのだ。
Lilithの歌声に期待を寄せていた方々には本当に申し訳なく思っている。
だが、私を含めてこのイベントに関わるもの、期待を寄せていた方々も含めた全員の願いはひとつだ。
身体を一番大事にせよ。
悔しい思いは痛いほどわかるが、チャンスは一度ではないのだ。
次のチャンスで100%、いや、200%のLilithを魅せればそれでいい。
今日はその分、私が堂々と振る舞い、イベントを完遂させる。
そう心に決めたのだ。
イベント自体は中止という体裁になったが、会場はオープンな状態にし、自由に遊びに来て良い「オフ会」となった。
「そそそオゥフ」あらため「そそそオゥフオゥフ」。
私自身が楽しまずにどうする。
会場となるスペースは一度、そそそやウミネコに連れられて見に来たことがあった。
「カラオケラウンジ」と名乗ってはいるが、ライブハウスとバーの良いところを取ったような素晴らしい場所だ。
この場所に、今日はさまざま人が訪れる。
店長と軽く挨拶をかわし、使うか、使わないかも未定の楽器のチェックをする。
台本も何もない、自由な場。
何でもできるようにしておかなければ。
しまった。
電子ピアノは「鍵盤タッチ」だ。
ピアノと同じ重さの「鍵盤タッチ」は弾き慣れていない。
私は「キーボードタッチ」派なのだ。
増える不安材料。
そのような準備しているうちに人が集まり始めた。
もうひとりのメイン。
私の分身体とも言えるそそそや、私の生みの親であるウミネコ……
ほかにも久しぶりに見る顔、初めて見る顔、結果的にさまざまな面子が揃う会となった。
そそそは場を仕切る立場を取っている。
ならば、私は挨拶を。
挨拶の基本はやはりハグであろう。
私はさまざまな人々とハグを交わした。
「そそねこちゃんやわらか~い」
「そそねこちゃん気持ちいい~」
「そそねこちゃん肉球ぷにぷにさせて~」
私はどうやら女性にモテる性分らしい。
モテるネコはつらい。
だが、私に想いを馳せるものたちに、等分の愛を私も与えよう。
すまないが、今はそれで許してほしい。
1人の愛には応えられないのだ。
すると、そそそが私を乱雑に連れ、抱え、壇上に上げた。
おい、そそそ。
雑な扱いはやめろ。
そそそは私を抱えながら、しゃべり倒す。
そして私を放り出し、
歌い出す。
おい、そそそ。
オマエの高校時代のバンドの持ち歌や「GET WILD」なんかに誰も興味はないぞ。
それよりも私のドラムテクニックをお見せしよう。
ネコ的な姿をしているが、こう見えてなかなか器用なのだ。
ほら、そそそ。
現実を受け止めろ。
オマエなんかより、たくさんのカメラが私に向けられているぞ。
およそ4時間に渡るオフ会、「そそそオゥフオゥフ」は無事に終了した。
何より、足を運んでくれた人が皆笑顔になってくれたことで、私も、おそらくそそそも、安堵した。
来てくれてありがとう。
そそそとLilithは2017年に向けて新たな一歩を踏み出すらしい。
まずLilithは、キャラクターデザインが一新される。
ホワイトタイガーをモチーフにした、スポーティな女性だ。
いや、少し待ってほしい。
オマエは誰だ。
「りりとら」というのか。
まあいい。
いずれまた会うことになるだろう。
そして、桜実さんの個人サークル・猫屋敷スタヂオが手掛ける和風ファンタジーな世界で繰り広げられる新作「竜神鏡戦記」。
この作品の音楽にも、「Wnderers ― はつゆき」に続いて携わっていくことになるそうだ。
詳しくは猫屋敷スタヂオのウェブサイトや桜実さんのTwitterなどをチェックしてほしい。
さらに、Lilithのキャラクターデザインが新しくなったことを記念して「Next Stage」の映像がリニューアルされた。
これも見ておくべきだろう。
このミュージックビデオは間もなく全公開となるが、このレポートの読者には先行公開となる。
さて、話は戻り。
イベントの終了間際。
そそそやウミネコのネットゲーム仲間の女性が駆けつけてくれたので、一部のメンバーで二次会的に軽く食事を取ることになった。
その場での出来事なのだが……
どうやら私は女性を惹きつけてしまう性分らしい。
来年も、私ともども、私の分身体であるそそそ、生みの親であるウミネコ、ディーバであるLilithたちをよろしく頼む。
無論、私も彼らの活動を見守り、支え、全力で支援していく。
イベントに集まってくれた人たち、イベントに興味を持ってくれた人たち、私の拙いレポートを最後まで読んでくれた人たち。
すべての人たちに感謝を。
そして良いお年を。
(TEXT by そそねこ)